水野創太GROUP「スローダンスEP」について

曲を書いて、歌う人と一緒に音楽をやりたいと思ったのがきっかけだった気がする。

自作自演アーティストは楽器の弾き方や間の取り方が息遣いや楽曲の緩急に寄り添った演奏になる。

ミュージシャンだともっとエッジが立った演奏になったり、リズムやビートの組み立てが変わってくる。

どっちが良いって事ではなく、その時は歌にフォーカスした事がやりたかった。

2013年の夏、横浜といっても海ではなく山の方、しかも山手の方では無い山の方(僕は横浜の方という言い方をするんだけど、土地勘がある人にはなんとなく通じる)に何人かで飲みに行った帰り、上記の様なグループをやりたいんだけどと太朗と浩樹に話した。

 

それからなんとなくスタジオに入ってみようとなり一緒に演奏をしたのだけど、

「わたしをみつけて」という曲を初めて歌った時、二人のコーラスの上手さにびびったしちびったかもしれない。

浩樹の声は楽器だった。声が楽器になる人は多くなく(浩樹とは全然質が違うけれど)ビートルズのア・デイ・イン・ザ・ライフの歌い出しのジョンの声の様にいつもハッとさせられた。

太朗の抜群の耳の良さとふくよかな低音(実は高い音もしっかり出る)は、僕のフラフラする歌をしっかりと支えてくれる柱だった。

心に焼き付いて離れない演奏がいくつかあり、この瞬間もそのひとつだ。

音楽を続ける事は辛い事もあるけれど、こういう瞬間があると帳消しになる。

この為にずっと続けてきたんだと思えるし辛い事も大して辛くないと思える。

そのままの勢いで「僕らは友だち」「夜光」と、するするアレンジが出来た。

 

「スローダンス」はこの三人で演奏したのが初めてだった。

コード進行は一つのパターンしかなく、それも四度から1度へ向かっていくだけの珍しい進行ではない。

それでも自分の中で珍しい位にすぐ出来た曲だった。

リハーサル中に僕がポロンポロンと曲のかけらとして弾いていた。

「それ何の曲?」と浩樹が言った。

その数十分後には曲が出来上がっていた。

イントロのフレーズは浩樹が弾いてたものがモチーフになっている。

 

「晩安宝貝」に入っている「ウォーアイニー」も水野グループの演奏が基になっている。

この曲は色々手を変え品を変え様々なバージョンでやって来たのだけど、ずっとどうしたらいいか分からないままだった。

ウォーアイニーだけでアルバム作れるくらいのバージョン数がある。

これも試しにやってみるか~と演奏したら形になった。

いいチームはスムーズに行く事が多い。いつもスムーズって訳にはいかないけど。

水野グループに限らず、EdBUSもHANDSOMEも何かが生まれる時は、生まれる前からキラキラしているのが分かる。

何か分からないキラキラ光るものに形をつけるって事をしているんじゃないかな。

それは宇宙の中で、地球上で、人間に与えられた力の中でも最も尊い事のひとつだと思う。

 

途切れながらも緩やかに活動していた水野GROUPは2017年の秋を最後に演奏をしていない。

太朗がTENDREで活躍中なので中々時間がとれないというのもあるけど、浩樹と連絡がとれなくなってしまった。

そうそう去年の11月に偶然浩樹と会ったんだよ。その時に連絡先を聞いて春に連絡をしたけれど返事がない。

元気なら良いんだけど、太朗と会うたびに浩樹の話題になり、水野GROUPやりたいねと話をしている。

 

オンラインストアで販売している水野創太GROUPのEPは単発でリリースした楽曲から数曲を選りすぐり2015年の初夏、O-EASTでのライヴに合わせて作ったものになります。

すっかり売り切れたと思い込んでたんだけど少しだけ在庫見つかりました。

売り切れたらもう再プレスはしないと思いますので是非。

盤面は太朗が絵を描いてデザインしてくれた。WALTZのロゴも彼が描いてくれてます。

EASTのライヴではアンコールにペトロールズ、在日ファンク、Reiちゃんと水野GROUPでゲロッパやったんだよな、懐かしいな。

 

また三人で演奏したいって今も毎月、今日だってそう思う。