晩安宝貝によせて

晩安宝貝の制作は2015年末に友人であり今回のプロジェクトに大きく関与しているあんちゃんの「そろそろ名刺代わりになるものを作った方がいい」という一言から緩やかに始まったと記憶しています。
16年の頭までに収録曲を決めリハーサルを重ねて、初夏頃にリズムトラックの録音を行いました。
その間並行してEdBUSの「太陽の子/バンドワゴン」をレコーディング&リリースし(夜間飛行のギターをこの時天野くんが先行して録音)、その後ギターの録音へと至ります。
ギターの録音以降はとてつもなく孤独な作業です。一部の例外を除き基本的に全てのギターを一人で演奏しています。音色を変えギターを変え、音を重ねて、という事を一人でやっていきます。
レコーディングエンジニアは勿論いるけれど、エンジニアの仕事はセッティングやコンソールの操作であり、私の仕事は演奏とどのテイクを採用するかの判断です。

レコーディングはジャッジの連続なのでとても疲れる、みんな嫌にならないんだろうかって不思議に思う。例えば同じ演奏をしたテイクが二つあって、一回目と二回目の差が自分ではどっちでもいい時とか。でもそこで決めなくてはいけないし、決めたらそれが世に出ていくわけだ。
ライブは演奏してしまえば終わりだけど、録音したものは残り続ける。
自分の過去作品を自ら聴き返すことをそんなにしないので、結局ライヴと同じなんだけど。

さてギターの録音が終わり、あとは歌を録音すれば曲を構成する音は全て完了です。
とここまで、ギターの録音が終わったのが2016年の夏になります。
普通ならば2016年中ないし2017年頭に出るスケジュールです。
しかしリリースを控え、今こうやって文章を書いている、その今は2018年の年末です。
制作は1年の間全く動かなくなりました。

常に頭にはあったが自信をなくしてしまった。
ギター録音後、歌録りまでにスタジオに入りリハーサルをしていたのだけれど、自分の歌えなさにがっかりしてしまった。
いくら歌っても納得出来る様に歌えない。完全に怖気付いてしまった。
せっかく演奏に関してはいいものが録れたのに歌がこれじゃあな。
常日頃からダメ出しをされる夢をよく見る。
自分が自分に感じている引け目を、夢の中で誰かから指摘される。
そんな気持ちで2017年を迎えたもので、去年の事をほとんど覚えていない。
自分の中では2016年と2017年は同じ年の様に感じる。体感としては振り返ると二つの異なる年が並行して一緒に流れてる。
2017年はのろのろと夏を迎え水野創太GROUPでのライヴが久しぶりに決まりました。
そのリハーサルとライヴがとても良く、今回の収録曲「ウォーアイニー」も演奏したのですが手応えがあり新たに録り直すことにしました(16年に一度録り終わっていました)。

太朗はアレンジャーやディレクションに関しても才気あふれる人で、歌に関しても彼と二人で採用するテイクを決めていくことでウォーアイニー以外の歌録りも遂に完了したのです。
コーラスで参加してくれている浩樹の声は宝物で冒頭の歌は彼です。この曲に関しては本当にみんなが集中力高く且つリラックスしている瞬間を捉えることが出来たのではないでしょうか。
ここまでが2017年の夏です。この下数行はデジャブですしコピペです。
普通ならば2017年中ないし2018年頭に出るスケジュールです。
しかしリリースを控え、今こうやって文章を書いている、その今は2018年の年末です。
再び制作は1年の間全く動かなくなりました。

トラックダウン(ミックス)とマスタリングというのが音に関して残っている作業になります。
このミックスというもので曲の印象というのががらりと変わってきます。
歌の大きさや楽器のバランスやエフェクト、そうした事を整えるのがミックスになります。字の通り編集作業です。

このミックスを誰にお願いしたら良いだろうと悩むことでまた時間が止まってしまった。
普通のロックにおさまらない、面白くて、でも格好良いことは大前提で、、
リリースしてくれるレーベルも探してみたり、人に相談をしてみたりしたのだけれど(かなり消極的なやり方で)、なかなか結果に結びつかず(そりゃあそうだと今思う、探してたとか言えないレベルだ、でもその時はまだ自信を持ててないから仕方ない)、やっぱりダメなのかなあと、今年の春先まではそんな気分だった。
今書いていて思うのはミックスで悩むというより後者の部分で自信を失っていたんだろうな。
自分でもなんでこんなに自信ないかね、っていう位弱気なんだ。
だから歌も録音すると自分のダメさが目の前にさらけ出されるし、レーベルに興味を持ってもらえなければ俺の作るものに価値がないと言われてるのと同然で、自らをさらすということにとてもびびってしまう。

今年に入ってライヴのサポートをしてくれるナリさんとヤスオが固定されコンスタントにライヴも出来たことで、
ライヴ活動に関しては余計なことに気をとられることが少なかったというのが、救われたことのひとつになります。
作品に関してはこのタイミングで改めてあんちゃんに相談をしたのが、最終的にリリースに至った一番大きな要因です。
というのもあんちゃんは2015年末に「作った方がいい」というアドバイスを個人的にくれただけなのです。
再びあんちゃんを巻き込んだことからエンジニアの鯛焼きくんと出会い一気に進んでいくのです。
鯛焼きくんはとても興味深い人で、表舞台に上がる方じゃないからライヴに引っ張り出すことは出来ないけれど、楽器やってたらバンドやりませんか?ってお願いしているはずです。
そうして音が仕上がり、今あんちゃんを始めとする仲間達と準備を進めています。12/18にタワーレコード渋谷店にて先行発売開始で以降いろんなところへ拡げていきます。