ウォーアイニー

ウォーアイニーをつくったのはHANDSOMEのVACANCEをつくった頃と同じ時期で
つまりそれは2012年?もしくは13年の夏ではなかろうか。もう5年以上経っている。
正確に思い出すことも放棄していて、その夏のことがいくつか頭をかすめている。
網戸を閉める音だとか、髪型(刈り上げられた)、あの赤いソファの居酒屋はどこだったろうとか。
コンプレッサーという種類のエフェクターがあり、大好きでいつもボードに組み込んでいるのだけど
ウォーアイニーはMXRというメーカーのdynacompというエフェクターの音から作った様な気がする。
それとエレハモのPOG2というオクターバー、その二つから生まれた曲。
それから台湾に旅行した時の街の匂いや暑さから生まれた。
そして当時、非英語圏の言葉から感じ取る情緒みたいなものから生まれた。
あと、、もういいよね、まあそんな具合で曲はいつでも複合的で、夢の様にいくつものことが矛盾しながら形を織りなしている。

この年は自分の中でポンポンと曲を作れた記憶がある。
といっても何を作ったのかさっぱり思い出せないのだけれど。
太陽の子とかもこの頃作った曲ではないだろうか、思い出せないけれど。
曲が出来る時は大体一瞬で、というとかっこいいのだけれど、大体の時間は頭の中で培養していて
なにかひとつ、最後に決定的なきっかけがあって曲になることが経験上多い。
ウォーアイニーの場合はdynacompという赤い、70年代か80年代のコンプレッサーによるものだ。
音色が変わる訳でなくて、潰れた独特な効果が出る。
多分筐体の赤い色の影響もあってそういう曲が出来たんだろう。

何度も何度もアレンジを変えて演奏している。
この曲だけはずっとゴールが分からなくて、いつも変わってしまう。
16年に録音したバージョンも今回のとは異なる。
ウォーアイニーだけで多分アレンジ違いのデモが5つ位存在する。
何かの折にお披露目できたらいいけれど。
今回収録されているものは水野創太GROUPでの演奏を基にアレンジをしている。
ただGROUP以外でのバンドでの再現が出来なくて、この先ライヴで披露できるのかどうか。
リハーサルでさらってみるのだけれど、あの一瞬を捉えることがどうにも難しい。別の一瞬を掴まえられればいいのだけど。
MVまでつくっておいてライヴで演奏できないとはどういうことなのだろうと思うが、仕方ない。
これがみずそうというものだよ。最近自分のことをみずそうとして取り扱うと楽な瞬間あります。
MVは小熊くんという新進気鋭の方に撮っていただきました。
当初は違う楽曲の予定だったのですが、紆余曲折ありウォーアイニーになりました。
小熊くんはなかなか大変な中撮影してくださって苦労かけました。
この場を借りて改めてお礼を申し上げます。みなさん是非ごらんください。

ちなみにウォーアイニーは元々タイトルではなく、初めてか数回目に披露した時に「ウォーアイニーよかった」と言われてそのままタイトルになってしまった。
タイトルを決めるのが本当に苦手で、名前なんてなければいいといつも思っている。
名前で良かったのはみずそうという距離感が微妙に縮まる楽ちんな自分の呼び名くらいで、だがしかしそれは自分で名付けたものではない。
だってウォーアイニーって、私はあなたを愛していますだしI love youだぜ、そりゃないぜ。
でもそういう距離感なんじゃないかって勝手に思ってる。みずそうもウォーアイニーも一緒だ。
愛していると言えない様に創太と呼び捨てられることは少ないし、I love youの様に水野君はよそよそしい。
おやすみベイビーとは誰も言わないが、晩安宝貝とも誰も言わないか。

でもそういうことじゃんか、遠回りするんだ、俺の言葉は。
言わなきゃいけない時や伝えたい時に言えなかった気持ちが歌詞や音楽になっていくのだと思う。
そしてそれがいつかどこかで思ってもない様な形で、どこかの誰かに還元されていくんじゃないだろうか。
遠い異国の音楽が巡り巡って自分の心に響くのは、誰かのそういう気持ちが今自分に届いたってことかもしれないよね。

それでは、おやすみベイビー。